野方お笑い総選挙2024
野方お笑い総選挙2024
?今回の商店街研究会は、2024年12月14日(土) 14時半に西武新宿線野方駅南口広場に集合しました。参加者14名で野方にある5つの通り「北原通り」「本町通り」「ときわ通り」「駅前通り」「みつわ通り」を歩いて「野方笑い地蔵尊」「野方区民活動センター」などを見学しました。
当日は、年末恒例のイベント「野方現ナマ大作戦2024歳末」が開催されており、野方駅を中心とした通りはどこも賑わっていました。その後、北町会館・振興組合事務所に移動し、野方商店街振興組合の榎本代表理事から「野方お笑い総選挙2024」というテーマで約1時間お話を伺いました。
1.野方商店街について
野方商店街振興組合は、30年前の平成6年に「野方北原通親交会」、「野方本町通り商店会」、「野方ときわ通り商店会」、「野方駅前通共栄会」、」「野方みつわ通り商店会」の5つの組織をあわせて発足しました。当初の会員数は約300で、現在は約200と減少傾向にありますが、理事長を投票で決定するなど民主的な運営をすることで組織が活性化しています。現在、お店の約90%がテナントで、商店街振興組合が発足した30年前とは比率が逆になってきています。そのため、マンパワーがなくなってきていますが、若手を活用することや商店街以外の方も組合に参加していただくことで活気のある街づくりを実現しています。
2.商店街の取り組みについて
@お笑い総選挙2024
お笑い総選挙は50組のグループが参加し、一次審査を勝ち抜いた8組の候補者から選挙形式で勝者を選びます。チェアマンには、お笑い好きを公言しているタレント・DJ KOO氏を起用し、8月6日に投開票ライブを野方区民ホールで開きました。それに先立ち期日前投票期間を1週間ほど設け、政見放送風の動画を配信しています。YouTubeで生配信も行うなど、野方駅を中心に商店街全体をお笑い色で染めました。企画運営に尽力したのは、組合に加入したばかりの映像制作会社を中心とした30代の若手たちでプロモーションも手掛けています。中野区の協賛を得て西武鉄道、関東バス、三菱UFJ銀行の協力も取り付けており、商店街で盛り上がりました。 榎本代表理事から「既存メンバーであれば無理だと諦めてしまうことでも大胆にチャレンジしてくれた。目の覚めるような思い」と実質的な活動は若者に任せた形となりました。会場選択にあたっては「晴れ舞台として大きなステージに立たせてあげたい」という代表理事の意向が強く反映され、200人収容する区民ホールになりました。
A お笑い地蔵尊とお笑いライブ
そもそも当地のイベントが「お笑い」を切り口としているのは商店街内にある「野方笑い地蔵尊」がきっかけとなっています。野方のシンボルとして親しまれていることから街の資源として活用しています。従来からのあたたかい街≠ニいうコンセプトに笑い≠プラスすることで15年にわたってお笑いライブを毎月実施しています。
Bジョークの貼り紙 エイプリルフールde街おこし
ユーモラスなコピーを店頭に貼りだす「ジョークの貼り紙 エイプリルフールde街おこし」は今年10周年を迎えています。東京都の東京商店街グランプリで表彰を受けるなど、外部評価も高い一大イベントに成長しています。事業費が貼り紙用紙のコピー代1,000円だけにもかかわらず、そのユニークさが話題を呼び、マスコミに取り上げられて来街者が増え、来街者によりSNSで拡散されるという効果的なPRになっています。各店が貼り出したジョークをきっかけに、店同士が気軽にコミュニケーションを取るようになり、新店舗への商店街周知や振興組合への加盟促進にも役立っています。
榎本代表理事から今年は組合設立30周年にあたる節目の年です。これを記念に初めて補助金を活用した「お笑い総選挙」を行い、広く関心を呼ぶことができてうれしいと喜んでいました。また、イベント参加を目的に商店街に加入する店もあったといい、「企画次第で組合員もお客様も盛り上がって楽しめる」と改めて実感しました。また、イベントを恒例化し、ゆくゆくは補助金なしで採算がとれる形を模索していきたいと考えています。「笑転街」としての存在感をもっと高め、野方商店街のブランド化を図りたいと意気込みをみせていました。 野方商店街振興組合の榎本代表理事からお話を伺ったあと、質疑も活発に行われ野方商店街のイベントを通じた街の活性化について学ぶことができ、有意義な会となりました。
記入者:月田 逸郎