荻窪音楽祭と街づくり

  5月11日(土)ウェルファーム杉並に講師の荻窪音楽祭実行委員の鈴木香織中小企業診断士から、荻窪音楽祭と街づくりをテーマにご講演を頂いた。

1. 荻窪音楽祭について

 クラシック音楽とそれに準じるジャンルの音楽を荻窪周辺の各所で演奏会を行う。それに準じるジャンルの中には、ジブリなどのアニメ音楽も入っている。開始から25年が経過しており、同じ杉並区では、阿佐ヶ谷はジャズ、高円寺はロックの演奏会が行われている。杉並区の姉妹都市の福島県南相馬市との交流も行われている。コロナ時は集まることができないためオンライン配信も強化し、荻窪音楽祭公式「おぎチャネル」でユーチューブ配信行った。

2.音楽祭の開催方法について

 音楽祭は、大きく分けて「自主企画」「会企画」に分類され、同じ時期に同時に開催される。昨年の2023年11月は4日間にわたり19箇所で45回の演奏会を実施された。 自主企画は、奏者と会場の協議で企画し、有料会場は奏者が経費を払うことが多く演奏者もプロが多い。会企画は、実行委員会で企画を行い、原則、奏者が経費を払うことはない。奏者は公募が多数で、6月頃ネットで募集する。企画の共通点は、荻窪音楽祭のフラック、看板、ポスター、小冊子、チラシなど印刷物の共有するため規模とシナジーの効果が期待できる。

3.開催時期と開催場所について

 毎年11月第1木曜日から4日間にかけて実施する。2024年は11月7日〜10日を予定している。主に荻窪周辺の施設で、杉並公会堂、プロテスタント教会、ルミネやタウンセブンの商業施設、金融機関、飲食店、民間ホール、その他の公的施設などになる

4.実施者及び参加者

 ?運営は実行委員を中心に行われ、ボランティアも公募で集められる。演奏者は公募と依頼のいずれもあり得る。プロ、アマ両方が演奏している。実行委員は、地元企業、専門家(防災士、行政書士、FPなどで入れ替えが多い)、商店街関係者、日本フィル関係者、公会堂関係者、若手音楽家などになり、その他の協力者としては、会場関係者、商店街、ボランティアなどになる。開催に向けて月1回委員長会議と実行委員会を実施している。

5.主旨は街づくりの一環

 荻窪の街を住んでみたい街、住んでいて良かった街、これからも住みつづけたい街、そんな心豊かに暮らせる街にしたいとの思いから「荻窪音楽祭」がスタートして24回目を迎えた。中央線で分断された荻窪の街をスムーズに南北が行き来できるようにバリアフリー化を目指し、若者や高齢者も快適に過ごせ、子供達が明るく元気に育って行ける街づくりへ、私たちのささやかな誇りとなるような街づくりへの、皆さまのご理解、ご協力をいただけましたら幸いです。

6.開催時の注意事項について

 「2023年の説明会で使用した内容」は以下になる。

新型コロナウィルスについては、音楽祭のガイドラインに沿っておこなう。・ギャラ・必要経費について、会場・演奏者で決める。・貴重品管理については各自で管理する。・著作権について、有料で近現代の曲を演奏する際の対応を依頼する 総合ガイドブックの確認は9月8日までに、校正案に赤入れをして、pdfか写真で送る。訂正不要な場合も連絡を行う。氏名、曲名等、備考等を確認する。「開場」「開演」「終演」をご確認する。代表曲以外の曲目は後の変更は可、演奏時間を計算する。早く終了すると苦情となる。校正締切後に変更が出た場合でも、Web上で公開されている総合ガイドブックの訂正は可能になるになる。 ポスターの確認のポイントは、ポスター左下に会場名が入っているので、表記のご確認を行い、訂正不要な場合も連絡する。

7.開催時の依頼事項について

@写真撮影

 委員またはボランティアが写真撮影に伺い、撮影後にWebに掲載するので了解をお願いする。

Aポスターの掲示

 ポスター・総合ガイドブックが出来上がったら、掲示、配布をお願いする。

B独自作成したチラシ

 チラシを独自作成したらpdfを送ってもらい、荻窪音楽祭のSNSなどでも公開を行う。

C終了後の報告

 コンサート終了後、以下の報告をお願いする。その内容? コンサートタイトル、? 日にち、? 時間帯、? コンサート会場、? 演奏者数、? 来場者数:約 名、? 会場満席度:満席 80% 60% 50%以下、? 荻窪音楽祭への要望(自主企画)になる。

8.商店街と関りについて

 商店街として協力していることは、フラッグの街路への掲載、 印刷物のポスターなどの掲示、スピンオフ企画への協力、新会場の紹介になる。商店街における実情として、? 商店街全体としての協力度に温度差がある。? 会場関係者の高齢化でグランドピアノが置いてある人気会場の閉鎖がある。? フラッグを付けていた協力的な商店会長の店舗が閉店したなど。

9.課題について

(1)よく聞く声として

 ・奏者から:無料で杉並公会堂で演奏できる。杉並と言う文化的イメージの高い所で演奏できる。 ・会場について:野村証券店舗を一昨年から利用している 。オーナーの高齢化で手間がかかることはしたくない。・聴衆から:子連れ・車いすでもOKな所について問合せがある。有料もあるため無料だったら気軽に行きたい。気軽な所とそうでない所がわかりにくい状態である。

(2)運営面として

 ・開始時には専門家がいたがアートマネジメントのノウハウが無い。・人気のある民間会場の閉鎖。 ・会場と奏者のミスマッチがある。・金銭的支援のためサポーター会員を増やす必要がある。

10.質疑応答について

・プロモーションについて:集客の反応は、各会場単位で対応する。広報委員会でプロのデザイナーがポスターとユーチューブを作成する。総務委員会で財務的な業務を行う。
・区商連とのかかわりについて:荻窪地区の各商店街になり、区商連には印刷物を置いてもらう。
・杉並区の関りについて:後援会名義をもらっている。産業振興センターに印刷物を置いてある。ウクライナ人の演奏家の企画の要請があったが、中立的立場からお断りした。
・ルミネやタウンセブンなど地元企業について:協力企業で人を派遣してもらっている。事務局になっている地元企業2社と太いつながりがある。
・アートディレクターについて:現状はボランティアで賄えているが、前任者が急に辞めるなど維持継続が難しい。
・他の区では、業者に依頼して音楽祭を開催して、多額の費用が発生している。
 当音楽祭では、ほとんどをボランティア活動で賄っている。