新高円寺通り商店街(振) 5月例会

 商店街研究会の5月定例会は、令和5年5月13日に新高円寺通り商店街の中にある「Cafe & Bar blueMOON」で開催された。

1.高円寺の商店街について

 新高円寺通り商店街は、JR高円寺駅の周辺の13商店街で形成されている高円寺商店街連合会の1つになる。同商店街の理事会が高齢化をする中で、現在の課題の対処するために若い商店主を中心に青年部が造られた。講演者の浅井義彦氏は、青年部に参加している。

2.浅井義彦氏の略歴について

 杉並区新しい科学の拠点選定委員会 委員
杉並区サイエンスフェアー実行委員会 委員長
高千穂大学、江戸川大学、専修大学兼任講師、東日本大学教授、放送大学客員教授
 *サイエンスフェアー実行委員会は、杉並区が進める旧杉並第四小学校跡地に「IMAGINUS」企画展やスタジオなど子どもから大人まで楽しめる科学館の設立を行う委員会になる。

2.講演内容について

 高円寺ルック商店街の青年部で地域活動されている浅井義彦氏に「商店街の文化的活動」についてご講演いただいた。
 現実社会の未来を作る目的で、科学教育と商店街と自治会の組合せによる未来を作る。研究会とギャラリーとカフェ&バーの具体的場所を使い、@科学教育の振興、A経済社会システム、B現実社会の未来を創る実験、という現在の3つの方向性を示し、以下の4つの事例紹介があった。

事例1:高南自治会アミーゴ化計画

 自治会の課題や現状の把握から、様々な先端技術を活用するVR/AR、位置情報システム、ネットワーク、ブロックチェーンなどで解決しようとする取り組みであり、目的はあるが過程を大切にし、人々の気持ちを大切にしたコミュニケーションイやベントなどの開催して仲間作りを推進している。

事例2:美大+教育現場+地域(商店街)での連携活動

 新しい社会を考える取り組みとして、これまでの枠組みや常識に囚われずに新しい社会を考える無重力の空間での創作活動を行っている。これは具体的には、研究者、アーティスト、地域の教育機関によるワークショップとなっている。

事例3:自治会+Gallery+商店街での連携活動

 地域住民から不用品を回収し、美大生が作品として再生し、商店街の個人店舗で一点ものとして販売している。地元商店街や自治会が展示場所・実験場所になり、課題を提案する。

事例4:企業(コングレ)+行政(杉並区)+地域(商店街・自治会)の連携活動

 拠点に求められるものとして、旧杉並第四小学校跡地の有効活用として「暮らしに身近な科学から最先端の科学まで、多様な体験や学びを発信することで、子どもから大人まで世代を超えた区民が集い交流し、科学を通じて人と人との繋がりが育まれる拠点」をコンセプトに、次世代型科学教育の新たな拠点を民間事業者が運営し、社会的利益を追求する。科学的・技術的裏付けがあり、商店街に提示し課題を提案している。

3.まとめ

 地元商店街を中心に大学、行政機関、民間企業、自治会などを巻き込み、地域の活性化につながる様々な取り組みを行っている。また、実験や工作、科学技術の紹介などを通じて、科学の不思議さや面白さを知ってもらう科学の祭典として「すぎなみサイエンスフェスタ」を行うなど商店街を研究や実験の場としてとらえ、科学を活用して未来を想像しながら、年齢や文系理系の枠を超えて、誰もが参画できるコミュニティを運営するなど将来につながる有意義な活動を行っている。 講演終了後、Uptown Koenji Galleryのアバンギャルドで隠れ家みたいな地下室を持ったギャラリーで幅広い文化活動に利用できるスペースの視察を行った。