「ジョークの貼り紙 野方!エイプリルフールde街おこし」について

 商店街研究会では、4月7日(土)に、野方商店街振興組合代表理事の榎本雅則様より、平成29年度の東京商店街グランプリで特別賞を受賞した「ジョークの貼り紙 野方!エイプリルフールde街おこし」についてお話を伺いました。  

 昭和2年に開業した野方駅を中心に、現在は駅周辺の5つの通りごとに商店街があります。野方周辺は戦災を免れて、戦後の区画整理なども行われなかったため、商圏には大型店舗がなく、狭い通りの両側に小さな商店が軒を連ねています。終戦後に生鮮三品を売る店が集まって作られた野方文化マーケットが今でもレトロな姿を残し、昭和8年創業のせんべい屋などもあります。

  「ジョークの貼り紙 野方!エイプリルフールde街おこし」は、事業費が貼り紙用紙のコピー代1,000円だけにもかかわらず、そのユニークさが話題を呼び、マスコミに取り上げられて来街者が増え、来街者によりSNSで拡散されるという効果的なPRになりました。今年で4回目のイベントとなりますが、各店が貼り出したジョークをきっかけに、店同士が気軽にコミュニケーションを取るようになり、新店舗への商店街周知や振興組合への加盟促進にも役立っています。また、当振興組合が毎月複数開催しているイベント時には、消費者が積極的に手伝ってくれているとのことです。ユニークな取組で消費者の支持を得ながら、東京商店街グランプリの賞金もイベントを通じて消費者に全額還元するなど、消費者と強いつながりを維持し続けていることを感じました。

三多摩支部 山 清子