佐原のまちづくり観光について

 商店街研究会では、3月3日(土)に福新呉服店にて、佐原おかみさん会事務局の平塚 智子様より「佐原まちぐるみ博物館」について、その後、佐原町並み交流館にて、佐原商工会議所観光担当の椎名喜予様より、「佐原のまちづくり観光」についてお話を伺いました。  佐原地区は、かつては商圏人口30万を誇っていましたが徐々に衰退し始め、東日本大震災のときには、振動と液状化現象により、瓦の落下、護岸の崩壊、噴砂堆積等の甚大な被害に遭われ、観光客はまったく来なくなってしまったそうです。

 佐原のまちづくり観光は、平成5年の「佐原地区街並み形成基本計画」を皮切りに、平成6年には佐原市歴史的景観条例による景観形成地区の制定し、平成8年には関東で初の重要伝統的建造物群保存地区として国に選定され、平成17年からは電線地中化等も実施しています。  また、佐原地区は江戸時代に利根川水運が発達したことにより物資の集積地となった経緯もあり、「佐原本町江戸まさり」と言われるほどに栄えていました。そのため現在では「お宝」となっている品々や当時の面影をそのまま残している商家が数多く残っているので、「佐原まちぐるみ博物館」と銘打って、お宝を各商家で展示して観光客の誘致も行っています。  

 さらに、東日本大震災直後の自粛ムードが強かった中、女性陣が商工会議所に集まり、自分たちを鼓舞するために、あえてエールポスターの作製や佐原地区の宣伝を行いました。 「地域社会が豊かにならなければ、個人は豊かになれない」という、佐原の有力商家10代目当主であった伊能忠敬の精神が現在でも受け継がれているため、「自分たちでやれることを、しっかりやる」をモットーに、皆が自主的に誇りを持って継続的に観光を中心としてまちづくりに取り組んでいることを知ることができました。

城東支部 伊藤 智昭