講演「稼ぐ商店街から見る行政ビジネス」を拝聴して

 商店街研究会の12月定例会は、商店街研究会幹事である鵜頭誠が「稼ぐ商店会から見る行政ビジネス」と題して講演する形で行われました。この「稼ぐ商店会から見る行政ビジネス」は平成30年度中小企業経営診断シンポジウムの東京都診断士協会による研究会成果発表において東京都中小企業診断士協会会長賞を受賞しました。以下、講演内容の概要になります。

  鵜頭幹事は商店街支援を行う中で、活気ある商店街には「店舗直接売上」「商店街加盟店」「地域内人材」「地域外人材」「地域外連携」「地域外資本」の要素が高いことに気づきました。この6つの指標をレーダーチャートを用い、商店街の実態を見える化し、経年評価しながら商店街の段階的な成長に活用しようというものです。実際にこの指標を用いて支援したところ、商店街の主要顧客である女性への対応の為、女性部と立ち上げた商店街や、大学や他地域と連携して商店街活性化策に多様性を持たせた例もあったといいます。

  鵜頭幹事はこれに留まらずこの指標を行政の支援にも活用しました。商店街が自走する仕組みを作ることが理想ですが、活性化策の初動期には補助金を投入することもあります。この指標を基に商店街の課題を整理し、有効な補助金メニューを検討する際の材料としたり、支援対象の商店街のどの分野を伸ばすために補助金を投入するのかを説明する材料に活用したのです。この指標を、地域課題を地域ビジネスで解消するまちづくり会社の構築などにも発展活用したいとしました。 講演後の質疑応答では、評価スキーム構築のプロセスや6つの指標で商店街を評価する際の留意点などが共有されました。

 

城西支部 本田 崇