柏二番街商店会が取組むまちづくり ~「グランドデザインと課題解決力」が強み~

 商店街研究会では、7月6日(木)、千葉県柏駅前の「柏二番街商店会」を視察し石戸新一郎理事長から、柏駅東口の商店街の取組みと将来ビジョンについてお話をお聞きしました。

1.柏駅商店街の発展と取組みについて

  柏二番街商店会は、これまで柏駅の交通基盤の強靭さ、日本初の都市再開発事業の導入、イメージアップ戦略の奏功によって発展を遂げてきた。大型百貨店群の誕生によるパイの増大とともに、駅前広場のデッキ化・アーケードの設置および柏レイソルの誘致等にも成功。「柏駅周辺イメージアップ推進協議会」(1998年)を主体に若者のまちのイメージ作りを狙って各種イベントを専門家の協力を得ながら実施(ストリートミュージシャンの集い、音楽・ファッション・食の祭典等)するとともに、海外視察の経験を基に「かしわインフォメーションセンター」を開設し、それぞれが商店街の賑わいに貢献してきました。

2.郊外型商業施設の誕生への対応について

 2000年以降郊外に大型商業施設が相次いで誕生し、駅前商業環境は厳しさを増した。商圏規模等は10年前に比べ▲30〜50%方低下。その対応として、「ソフト中心からソフトとハードの融合」、「イメージ戦略による賑わい」、「都市デザインを意識した街作り」をキーワードに活性化を目指した。具体的には地域商店街活性化事業の認定による駅前ウッドデッキ広場や上下階のダブルデッキの整備に加えて、補助金を活用したサイネージによる情報機器(収益源)の設置、さらには大型複合型施設の「パレット柏」(27階建<当日の会場>、上層部マンション、総工費160億円)の建設を実現。同時に「柏エリアマネジメント協議会」(2015年)と事業実施部門である「柏アーバンデザインセンター」を開設し、公・民・学の連携による能動的な運営・検討体制作りに取組んできました。

3.大型百貨店の撤退への課題と対応について

 柏駅前のそごう百貨店が閉店(2016/9月)したのは大きな影響です。将来的に柏をどのように作るのか、客層の回遊減の周辺商店街をどのように復興させるのかが課題です。そのため、グランドデザインづくり(2017/3月「柏駅東口の将来ビジョン策定に向けて」発表)に着手したほか、吸引人口の多さを活かした買い物通り(歩行者専用)の検討等に取組んでいます。

4.理事長の運営方針と視察を終えた感想

 理事長の方針で印象深かったことは、(1)中長期的なアーバンデザインという高い視点からの魅力的な空間の創出(人にとっていい街)の検討と組織作り(街のシンクタンク)の妙、(2) 国・市等からの補助金活用のタイムリーさ(メニューに合った事業)と資金捻出等自助努力(広告費、高加盟費)の展開、(3)国内外の街並みや関連施設への積極的な視察と大学教授・専門家の活用です。同商店会では過去の成功体験に甘んじることなく危機意識を常に持ちながら、関係者との連携やスピードと粘りを持った持ち前の課題解決力の発揮を通じて、上質な時間に出会えるまちづくりや駅前の賑わいの実現が期待できます。