「インバウンド対応・民泊について」 -高円寺純情商店街(高円寺銀座商店会協同組合)-

 商店街研究会では4月8日に、高円寺銀座商店会協同組合を視察し、吉田 善博 専務理事に商店街の歴史やイベント、民泊事業の取り組み内容についてお話を伺いました。 商店街の歴史:同商店街は協同組合にあたり、組合員数50人超、加盟店200店超から成る高円寺駅前に立地する商店街です。愛称である「高円寺純情商店街」は、この商店街に住んでいた小説家、ねじめ正一の直木賞受賞作品に由来しています。

インバウンド対応

 海外旅行客へのアンケートを参考にして様々なインバウンド施策に取り組んでいるのが印象的でした。具体的には商店街加盟店に協力を得てwifi環境を整える商店街内で通信が途切れない工夫や店舗メニューの多言語化をサポートしています。ドラッグストアなどの説明が難しい業種においても、頭痛などよくある状態をイラスト化して指差し会話できるようにするなど、外国人の方が来やすい街づくりを行っています。

民泊事業

 年々増える外国人客を取り込むべく、同商店街では民泊事業に取り組んでいます。4階建ての建物で、1Fがコミュニティーカフェ・ショップ、2Fがコミュニティースペース、3F・4Fが民泊のスペースとなっています。今年に入って稼働を始めたものの、現在はテスト段階にあたり、今後はカプセルホテル形式にして泊まれる人数を増やすなど、採算面も視野に入れて取り組みたいそうです。商店街が民泊に取り組むことにより、@商店街加盟店で夕食セットを用意し、食事券を発行して利用してもらう、A銭湯などの施設を紹介し近隣を回遊してもらう、などで海外旅行客を呼び込みたいとのことです。 増加する外国人に対応する取り組みとして、多くの示唆に富む事例でした。

城南支部 盛澤陽一郎