参道商店街の活性化事業について  −門前町という立地を生かした街並み形成の取組−

 商店街研究会10月例会では、成田市の「上町商店街」を視察し、成田市上町商店街振興組合会長・河野元理事長より、参道商店街の活性化事業についてお話をお伺いした。  

 JR・京成成田駅から、成田山新勝寺までの約2kmに亘る表参道は、駅から花崎町地区・上町地区・仲町地区に分かれており、上町商店街は表参道の中心に位置する。多くの観光客・外国人・空港勤務者が訪れる成田の顔である一方、近隣住民の生活の場としての一面も併せ持っている。 古くは江戸時代末期から栄え、昔ならではの街並みが残るものの、道が細くかつ交通量が多いことが課題となっていた。そこで、平成8年からはセットバック事業がはじまり、約85%が完成、現在も継続して進められている。広く歩行者が安心して歩けるようになった表参道は、ファサードの統一も併せて進められており、門前町の情景を色濃く感じさせる。更に平成12年からは電柱地中化事業も進められ、平成17年に都市景観大賞「美しいまちなみ最優秀賞」を、平成26年には「ベスト・アクション表彰大賞」を受賞した。  

 街並みの形成は、「上町街づくり協議会」との協働で行っており、その果たす役割は大きい。上町をはじめ、参道のまちづくり団体4団体が一丸となり、表参道にふさわしい街並みを形成しようとする地道な動きが、行政の支援をこぎつけ、保守的な店主も動かした。 また、参道一体の若手有志による表参道活性化の取組も盛んであり、参道を核とした様々な取組が、目指している「歩いて楽しい、見て楽しい、安全で快適な街づくり」を実現し、商店街への集客を促している様子が伺えた。

城南支部 大場 敬子