観光客誘致に向けた安全・安心な街づくり -歌舞伎町ルネッサンスと歌舞伎町商店街振興組合の取り組み-

 商店街研究会では、4月9日(土)に新宿区の歌舞伎町商店街振興組合を訪問し、城克事務局長より、歌舞伎町の生い立ちや活性化への取組等についてお話を伺いました。

 歌舞伎町歓楽街は、江戸時代に町民の間にあった「歌舞伎町に宿場を作りたい」という思いと、地の利により賭場や色町として栄えて宿場町が形成されたことに始まります。  現在では東洋一とも謳われる歓楽街へと成長しましたが、その特殊性により近隣の商店会との連携はなかなか図れず、また、平成14年には刑法犯認知件数が7年連続戦後最悪を更新する等、「街をコントロールする機能」の整備・強化が急務となっていました。  そこで、政府や東京都の協力を受けて、平成17年に「歌舞伎町ルネッサンス推進協議会」が発足し、歌舞伎町は安全安心まちづくりの全国展開モデルとなりました。  歌舞伎町商店街振興組合では、防犯カメラの設置、客引行為禁止の啓発活動、自警的パトロール活動等を実施し治安維持を精力的に進めています。自警的パトロール活動は、週3日1時間程度行っており、現在では交番の警察官と共同で行われるまでになりました。  

 活性化対策としては、安全・安心な街づくりを基礎として観光客の誘致をにらんだ「宿泊施設の増加」や「人と車の導線整備」といった設備投資の誘導が進められています。  街づくりは、これまでの発展の経緯や土地の利を考慮せずには上手くいかないので、歌舞伎町はこれからも歓楽街として行政や周辺の商店会と共存しながら成長し続けるとおっしゃっていました。

中央支部 伊藤 智昭