ブランド化を推進する商店街 -純情通り商店街を視察して-

 商店街研究会では、11月14日(土)にJR総武線 高円寺北口近くの「純情通り商店街連合組合」を視察、高円寺まちの駅にて久保田理事長、吉田専務理事から商店街活動についてお話を伺いました。

1.純情商店街の成り立ち

 純情商店街は当初、「高円寺銀座商店街」でしたが、同商店街の出身である作家のねじめ正一が「高円寺純情商店街」で直木賞を受賞してから、「純情商店会」を愛称として使用してきました。それ以降は平成23年に「地域活性化法」の認定を受け、LED街路灯の設置や商店街の空き店舗を活用したコミュニティ施設を整備するなど、ハード面を整えてきました。また、全国に知名度が広がっている「高円寺阿波おどり」や「高円寺フェス」など季節ごとにさまざまなイベントを開催しており、商店街の集客につなげています。

2.ブランド商品開発

 同商店街では地域ならではの商品開発をしています。地元小学校の稲作授業を指導している山形市飯豊町(いいでまち)の稲作農家と協働して「純情米」を販売しています。この純情米は山形県外ではほとんど作られていない「はえぬき」です。「はえぬき」は食味ランキングにおいて、19年連続で特Aランクを受賞している高品質米です。さらに地元の女子美術大学と協業しパッケージをデザインしました。これを皮切りに、この「はえぬき」を飯豊町の酒造「若乃井」が日本酒に加工した「純情」も開発販売しています。今では飯豊町と協力し同商店街内に飯豊町のアンテナショップをつくり、第3のブランド商品の開発や6次産業化に繋げる努力もしています。その動きは地方再生のヒントでもあり、今後も目の離せないものとなっています。

城西支部 本田 崇