村を再生させた盛りだくさんな「道の駅」川場田園プラザ視察報告

はじめに

 東京支部商店街研究会は今回、群馬県商工会連合会の協力も得て、群馬県の「道の駅」川場田園プラザの視察旅行を行った。関越自動車道沼田ICから車で約15分、沼田市に隣接する川場村大字萩室に位置する。運営主体は(株)田園プラザ川場、実質的には川場村全村をあげての村営事業である。

1.関東地区「好きな道の駅」第1位

 関東道の駅連絡会が主催するスタンプラリー参加者のアンケート調査では5年連続1位である。その理由は「風景が素晴らしかった」「施設が多目的でとても楽しい」に加えて、売店の商品の評価が高い。
訪問したのは日曜日であったが、広い敷地内は多くの訪問客でにぎわっており、評判の手打ちそば「虚空蔵」は30分待ちの行列が出来ている状況であった。

 道の駅は街道の途中にある休憩所、という概念もあるが、ここはほとんど終着駅で、川場村や道の駅そのものが、一種の商店街を形成し、訪問客の目的地になっている。

2.盛り沢山の「道の駅」

 一般的な道の駅よりも敷地が広いので、食堂、販売店の種類も多く、特に地元産、地元加工の商品に特徴がある。 各種の野菜・果物は勿論であるが、ハム・ソーセージも場内のミート工房で作られていて、その場で食することができる。ミルク工房ではヨーグルトも製造されてい
て、これまた地元産のブルーベリージャム を載せて提供されている。

 

 パンもパン工房で焼き立てを購入できる。 なんと、ビールの醸造所まであって川場産の地ビールも楽しめる。
 集客のために子供用の遊び場(すべり台)もあり、夏休みの宿題対策に、粘土をろくろでまわして陶器作りを体験できる。壺も皿も窯で焼いてから郵送してくれる。

 川場村は人口3800人であるが。観光産業に力を入れている。道の駅以外にも。公園、温泉ホテル、ナイター照明のあるテニスコート、野球場、ターゲットバードゴルフ、体育館、武道館、1周200mのラジコンカーのレース場など娯楽遊戯施設が揃っている。SLのデゴイチも走っている。盛りだくさんの道の駅もこれらの観光、集客施設の一部にしかすぎない。

3.農商工の一体化で村おこし

 川場村農産加工(株)の山口登社長にお話を伺った。同社は、農商工連携事業でブルーベリーの加工販売を行っていて、駅ではブルーベリー館を運営している。 また、川場村は村をあげて、いわば農工商連携を行っている。即ち、農産物を生産し、加工し、消費者に直接販売している。省かれた流通過程の利潤はすべて村の中に落ちる仕掛けである。これらの3業種と観光業が村に雇用の場を提供している。
川場村では当主は兼業農民でどこかに勤めに出ているが、後継ぎが村に残って奮闘するという他の農村とは違った風景が現出され、村おこしの最中である。

 写真;多くの施設があります。以下をご覧ください、「田園プラザ川場」で検索のこと。

http://www.denenplaza.co.jp/

 

中央支会 小山田哲治