東深沢商店街の地域商店街活性化法の承認計画について

 商店街研究会では、11月19日(土)世田谷区の「東深沢商店街」を視察し、当商店街の安田晋一理事長より「地域商店街活性化法の承認を受けた計画」についてお話を伺いました。

 1.商店街の現状

 最寄駅は東急東横線の自由が丘駅。そこからバスで約15分ほどの閑静な住宅街に立地する商店街です。 当商店街の全盛期は昭和39年頃で、組合員数86(賛助会員含む)でしたが、今では同45となり、危機意識をもった理事会が平成20年に世田谷区の商店街支援策の「生活支援拠点型」事業に申し込んでから、活性化を模索し始めました。

2.世田谷区の「生活支援拠点型」事業

 「生活支援拠点型事業」では、大手コンサル会社や世田谷区産業振興公社のアドバイスを受けながら、来街者アンケート、通行量調査も実施しました。さらに、町会や小中学校のPTAなど、地域代表者との懇話会も設置。調査結果や懇話会の議論を踏まえ、5カ年計画を立案したのです。 当事業は3カ年の支援期間だったため、計画の継続性や、実施の助成も得られるとのことで、平成23年度の国の地域商店街活性化法に計画を申請しました。

3.地域商店街活性化法の計画内容

東深沢商店街  計画内容は、1)商店街のオープンテラス化 2)一店逸品運動の推進 3)組合員向け研修の3本柱となっています。 1)のオープンテラス化では、商店街の通路にテーブルやイスを置き、オープンテラス化を実現。11月には商店街事務所をリニューアルオープンし、無料のお休み処「ふれあい広場」を開設し、車いすの方でも利用できるトイレを設けました。 さらに、環境意識の高い住民特性があることからお休み処「ふれあい広場」をエコステーションとし、空き缶回収機を設置して、ポイントがたまると買物に還元できるように工夫しています。

2)の逸品運動では、当初10店ほどの参加予定を見込んでいましたが、18店が参加して逸品づくりに取り組みました。その結果、組合加入店が出る効果もすでに表れました。逸品フェアの実施などをとおし、東深沢ブランドの確立を目指しています。 3)の研修は、逸品研修、販促研修、マナー研修の内容で、逸品の共通理解と開発に加え、個店の魅力を引き出し、伝えていくための販促やマナーについても学ぼうという総合的な観点で構成されています。

4.中小企業診断士のかかわり

 安田理事長は、「基本計画は『生活支援拠点型事業』で立案されました。その後、国の計画申請から参加していただいた中小企業診断士の相楽・小林両先生(商店街研究会)には、具体的な実施内容や各店舗の向上を図る研修などを、ご協力いただきました」と語られました。

報告者 城南支会 小林 伸行