商店街にて株式会社設立 ―効率よく活性化するために―

 商店街研究会では、5月16日(土)世田谷区の「用賀商店街」を視察し、当商店街の小林弘忠理事長より「株式会社設立による商店街の活性化について」のお話を伺いました。

1.商店街の現状

  東急田園都市線で渋谷から約15分の好立地。4つの道路に囲まれた「面」で広がる形態に特徴があります。商圏は約5万人を擁しています
ただ450店中260店しか商店街振興組合に加盟しておらず「繋がりが低い」ことが悩みです。そこで商店街として、行政、企業のサポートを受け、体系立てて商店街の活性化を目指すことにしました。

2.振興プランの策定

 世田谷区の補助金を受けて、まずは5年後の街の有り様を想定した振興プランを策定しました。『笑顔ふれあいヨガ用賀』のコンセプトと「消費者のライフスタイルや嗜好にあった店づくり・商店街づくり」を目指す姿・方向性が主なポイントです

3.株式会社設立

 策定した「振興プラン」を推進すべく、用賀商店街を株主とした『用賀まちづくり梶xを2009年9月に設立しました。業務内容としては「イベントの企画・運営」「商品券・サービス券・ポイントシステムの企画・運営」「ステーション・アンテナショップの運営」等多岐に渡ります。
  特徴として、商店街振興組合(株主)が株式会社に出資金や事業費を提供します。株式会社は各種業務による事業運営利益を、商店街に配当したり、次の事業運営資金としたりして活性化に繋げていこうとしていることです。

4.最初の試み

現在以下の試みを実施中です。

  1. ハロー*ようが:街のステーションとして情報発信やイベントを行うための多目的空間です。休憩スペースとしても利用できます。

  2. まちなか観光物産館(田舎のごっつお)商店街に欠けていた「海産物を扱う店」をオープンしました。視察時は岩手県陸前高田市のアンテナショップとして、数々の海産物を販売しており活気がありました。

  3. 古民家風の建物の集会場を利用した「用賀でヨガ」:ヨガ教室の開催

  4. 学生や小学校との協働プロジェクト「エコキャップ運動」

5.今後の課題

 商店街の意識の向上のために講習会実施、フリーペーパー等による活動のPR、介護施設向けの出張イベント、高齢者が多いことによるユニデザイン対応、等々挙げられていました。

6.視察を終えて

 まず理事の方々の熱い思いがこの会社運営を支えているのだと感じました。また、会社にすることで「活性化」を事業として考え、周りの住民との繋がりをより強いものにしていく、外部の有識者、行政、企業との連携の下、効率よく効果を上げる良いモデルだと感じました。

報告者: 城南支会 赤堀 正幸





 

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