アート&デザインのまちづくり  ―六本木商店街―

 商店街研究会は1月20日(火)、東京都「地域連携型モデル商店街事業」ならびに港区「商店街変身戦略プログラム」に指定された六本木商店街を視察し、六本木商店街振興組合理事の原田隆子氏はじめ執行部の皆さんから、現状と今後の事業展開についてお話を伺った。

1.これまでの活動

 明治時代に陸軍部隊が設置され、軍隊の町として発展した六本木は、戦後米軍の町へと変化し、外国人が多い繁華街として有名になった。六本木商店街進行組合の前身である六本木商店会が誕生したのは昭和40年であるが、近年、六本木ヒルズ、東京ミッドタウン、森美術館、国立新美術館、サントリー美術館などが相次いでオープンし、街の様相が一変した。
  商店街では、これまで清掃活動や地域の安全安心の確保を中心とした活動を行ってきたが、これからは大規模商業施設や美術館を訪れる人々を商店街エリアにも回遊させることにより、商店街と個店の魅力を向上させ、優良な店舗の増加を図ることとした。

2.活性化協議会

 平成19年に港区の支援により活性化協議会が設置され、現状及び課題の認識と解決の方向が検討された。
  現在、商店街の組合員数は約250店舗で、加盟率は1割以下。内容は、飲食業、サービス業、ビル賃貸業などであり、物販店が少ないのが特徴である。
  問題点としては、六本木商店街進行組合の認知度が低く、かめて員情報が不足している、来街者が一部に集中している、安全安心の街づくりをいっそう推進する必要があるなどが挙げられ、統一イメージを確立すること、エリア内企業・団体との連携を強化することなどが解決策として提案された。

3.活性化に向けた計画

 新たな街のイメージづくりとしてキャッチコピーを募集し、「六本木 芸術散歩」と決定したのを皮切りに、デザインロゴが作成され、デザイナーズフラッグデザイン募集やフォトコンテストなどのイベントが実施された。また、六本木交差点の景観を改善するために、今春には環境に配慮し経済性にも優れたLED灯を使用したデザイン照明やアート装飾が行われる予定である。

4.おわりに

 六本木商店街の活性化計画の特徴は、なんといっても地元ネットワークにより一流デザイナーが参画していることである。新ロゴマークのデザイナーは葛西薫氏、照明デザイナーは石井幹子氏、フォトコンテスト審査員は立木義浩氏といった具合である。今後のいっそうの発展が期待される。
詳しくは次ぎのURLを参照してください。 www.ractive-roppongi.com

報告者: 鉄尾 佳司