福祉と環境に取り組むユニバーサル商店街 ―板橋区遊座大山商店街視察報告―

 ユニバーサル商店街と言うのは、「老若男女を問わず、誰もが利用しやすい商店街」と言う意味で、商店街としては当然目指すべき方針なのだが、実際に取り組んでいるところは少ない。遊座大山商店街では、「食」、「子育て」、「リサイクル・環境」、「イベント」、「販促」、「情報発信」、「環境整備」の7つのテーマについて、誰もが利用しやすいバリアフリーの取組みを行っている。7月14日に行われた商店街研究会の視察で、これらの取組みのうちのいくつかについて、理事長をはじめとした商店街役員の方からお話を伺った。

 

 

1. 道路のバリアフリー化
 

  東京都では、「福祉の街づくり特区モデル事業」が行われており、昨年度は板橋区と世田谷区の2区が選定された。この事業の一環として板橋区では、東武東上線大山駅と都営三田線板橋区役所前駅を結ぶ経路にあたり区役所などの公共施設の立地も多い遊座大山商店街の道路の改良工事が行われた。この工事は段差をなくすなど、道路のバリアフリー化が目的だが、商店街の意見も取り入れることになり、「遊座」と言う名前にふさわしい石畳風のしゃれたデザインになった。

2. サマーフェスタ遊座大山

 毎年恒例で行われているサマーフェスタ(盆踊り大会を中心とした夏のイベント)にも、今年は福祉と環境のテーマがたくさんが盛り込まれている。

 これらの事業は連携している東京家政大の学生の協力を得て行われ、ポスターのデザインもデザイン学科の学生が製作、非常にしゃれたものになっている。

3. 家政大との取組み

 東京家政大と遊座大山商店街の商学連携は商店街の中にあるコミュニティーレストラン「茶の間」を中心に行われている。こちらは同大学の卒業生2人が中心となり運営が行われているが、ここに栄養学科、デザイン学科の学生が集まり、商店街の有志とともに健康食品の開発や、ポスター・チラシの製作などの共同事業に取り組んでいる。これまで和菓子、中華、日本食の健康メニューの開発を行ったり、景品の遊座マイバックのデザインを行っとりするなど着実に成果を上げている。

4.商店街の今後

 遊座大山商店街は、2年前にも一度視察に訪れたが、それ以来次々と新しい施策を打ち出し、着実に変化していることが実感できる。視察当日は雨であったがそれでもかなりの人通りがあった。もちろん空き店舗はひとつもない。商店街の役員の方も積極的であり、今後もいっそうの発展が期待できる商店街である。

茶の間
遊座大山石畳
茶の間の店内
石畳風の舗装

報告者: 小山田哲治







 


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