神楽坂粋いき逸品 ―神楽坂粋いき逸品委員会―

 4月7日(土)商店街研究会は4月例会で神楽坂商店街(振)の視察を行いました。同商店街は、新宿区の東北部に位置する組合員約160店舗の近隣型商店街です。

1、商店街の沿革

 現在の商店街は、昭和35年頃に形成され、昭和40年代後半、道路の拡幅計画が起り、これを機に整備事業が始まりました。昭和57年、東京都指定モデル商店街の指定を受け、翌58年、神楽坂商店街振興組合を設立。同60年ごろ青空市、神楽坂くじを開始、平成8年ごろ神楽坂通り商店会との連携イベント、神楽坂まつりに参加。平成17年、東京都指定モデル商店街指定から20数年が過ぎたため再整備事業を開始、整備事業と連携する形で「一店逸品運動」の勉強会を商店街主宰で一年かけて始めました。平成18年、ハード事業の完成と共に「第1回神楽坂粋いき逸品」(48店舗)を開始、平成19年、「第2回 神楽坂粋いき逸品」(54店舗)を展開しています。
  今回の視察では整備事業(ハード)を橋爪理事長に、逸品事業(ソフト)を紺谷委員長にお話しをお聞きしました。

2、街路灯立替え及び通信線美観事業

 整備事業では、@無電柱化(ソフト地中化方式)、A街路灯の立替え(56基)、Bカラー舗装の再整備を行いました。費用総額は約5億円弱、商店街負担は約2千4百万円でした。橋爪理事長は費用に関しては行政の助成金、業者の負担協力(特に東電)があったおかげと、整備事業の推進では日頃から行政、地元警察・消防署との関係が重要と言います。整備事業完成後は高い評価を頂き来街者が増加しました。事業の完成後感じたことは、@地元のやる気・熱意がすべてを動かす。A行政・地元警察との協力、B地元民の協力・理解が重要、C設計はプロに任せることが大切と言います。

3、神楽坂粋いき逸品

 神楽坂通り商店会や商店街以外の方の参加を促すため逸品委員会を立ち上げ、神楽坂全体で取り組んでいます。委員長は自称、橋爪チルドレンの紺谷さん、理事長の腰の低さとしたたかな交渉術に敬意を表しています。逸品の開始では、各個店にとって逸品は何かから始めました。逸品と言えないと思える物もありましたが、お店の話しを聞くとそこにはこだわりがあり、それを大切にしたいとのことです。また、逸品は若手中心の活動で、商店街活動への参加の良い機会となっています。逸品マップも神楽坂を訪れる人の立場から作成されています。 

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4、今回の視察で学んだこと

 商店街活動ではハード・ソフト事業はマッチングすることが大切、そして、事業を動かすのは人であること。逸品では、個店のMDの見直しと個店・商店街活動における後継者育成の視点が重要なことです。

神楽坂商店街 http://www.syoutengai-web.net/kagura/kagura6.html

報告者: 鈴木隆男l