浅草・伝法院通りが粋な江戸の街並みに一新(東京都「地域連携型モデル商店街事業」伝法院通り周辺地域の事例)

伝法院通り商店街 東京都商店街研究会は、4月12日(水)に浅草地区観光まちづくり推進協議会 事務局次長 松本光昭氏より「伝法院通り江戸街づくり景観整備事業」の概要について説明頂いた。また、講演後には松本氏にもご同行頂き、江戸の街並みが再現された伝法院通りを視察した。  なお、本事業は東京都が実施している「地域連携型モデル商店街事業」の一つである。平成17年度は、伝法院通りのほか、世田谷区の「ウルトラマンまちづくりプロジェクト」がモデル事業に指定されている。 

 

1.伝法院通りとは

 浅草・伝法院通りは浅草寺南側に位置し東西約200mわたる道のりが仲見世商店街西側に続いている。仲見世から公園六区興行街を抜け西浅草、合羽橋、そして北上野から両大師の陸橋を登って上野公園へ出る、いわば浅草通りに対する裏通りとして早くから賑わいを見せていた。

2.事業の目的

 平成17年8月に秋葉原とつくば間を結ぶ「つくばエクスプレス」が開業した。これを機に、雷門・仲見世からの人の流れと、国際通りに設けられた「つくばエクスプレス浅草駅」からの人の流れを伝法院通りでつなぐことで来街者の回遊性を高め、仲見世通りの賑わいや華やかさを浅草全体へ広げることを目的としている。

3.事業の概要

 浅草伝法院通り商店街振興組合(組合員数23)と伝法院通り商店会(同10)等が「伝法院通り江戸まちづくり協議会」を組織し、以下のようなハード、ソフト両面での事業を実施している。

4.事業成功の要因はリーダーシップ、タイミング、スピード

伝法院通り商店街 関係者への事業内容の説明から、東京都への申請手続き、改修工事を担当する施工会社との打ち合わせ等は、松本氏がほぼ一人で行なっている。また、松本氏が「地域連携型モデル商店街事業」を知り、認定までに要した期間は2〜3ヶ月である。このリーダーシップとスピード、そしてつくばエクスプレス開業により、地元の人たちが「何かしなければ」との思いを強めた時期であったことが、事業成功の要因といえよう。 平成17年12月17日には、改修工事の完了に伴い開通式が行われている。その後の法院通りは、特に週末において仲見世通りと同じ賑わいが生まれているようである。

報告者: 遠藤 光司