遊座大山商店街視察


 4月23日(土)、池袋から東武東上線3つ目の駅大山駅を下車して、踏切を東へ渡ると「遊座大山商店街」と書かれたアーチが我々を迎えてくれた。延長550メートルにわたる会員数170余の元気な商店街だ。踏切をはさんで反対側に隣接するハッピーロード大山商店街をライバルとして共に発展してきている。生鮮3品を扱う店舗は3店と少なく、物販・サービス飲食・その他に三分された構成となっている。
遊座大山の名前は平成2年に商店街の理事会と青年会が一緒にネーミングした日本のどこにも無い良い名前ですと誇りを持って答えてくれたのは、青年会時代から商店街活動の先頭を切ってきた小宮康治理事長だ。

1.遊座小判の現状

 遊座大山が全国的に注目されているのは平成11年に始めた地域通貨としての小判そっくりの遊座小判だ。商店街を歩いて行くと光り輝く小判2枚の写真が目に飛び込んでくる。店舗のウインドーに貼られた遊座小判受入店のチラシである。
この遊座小判の仕様は実物大の天保5両小判を真鍮で作り、コーティングを施して輝きを保つようにしており本物そっくりの見事な出来ばえである。裏面に「遊座小判・五百円」と刻印をしてあり、受入店(現在78店)では500円として買い物が出来る。
この小判の製作は3回にわたり2種類の小判を1万3千枚製作している。これを商店街の売出し時の景品としたり、以前より行っている「遊スタンプ台紙」との交換景品としている。また、年2〜3回は1割のプレミアムをつけて450円で販売するなど工夫を凝らしている。その努力もあって、平成11年11月の導入以来16年度末までに延延べ累計約4万枚、2000万円分の流通となっている。

2.遊座小判の評価

 

 この遊座小判の評価については次の通り。

  1. 本物そっくりなので手にすると誰でも喜ぶこと。

  2. 使用期限は半年間。回収された小判を度々販売しているので無期限有効に近い使われ方をすること。

  3. 従来の共通商品券などは1回使用すればごみとなるが小判は何度でも使用できるので長期的には券の印刷代より割安になるエコロジーとエコノミーを実現できること。

  4. 受入店に一切負担が無く、地元金融機関に専用換金書で口座入金が出来ること。

  5. お客様の流出を食い止め、各店の売り上げにつながるので店からも喜ばれること。

  6. お客様から「遊座小判を持っていると良いことがあった」などと好評であること。

 

 小判が地域通貨として流通することについては問題ないことはもちろんであり、この活動については板橋区長も賞賛しており、また地元税務署の広報にも紹介されるなどお墨付きだ。

3.その他の取り組み

 その他の取組みとしては、28台の防犯カメラを設置しての安全性確保や「商・学・官」の三位一体による活性化を東京家政大学と進めるなど、元気な遊座大山商店街の発展に向けての次の一手も進んでいる。

報告者: 山中令士