街のコンシェルジェ・街中サロン事業のミッション 〜品川区・中延商店街まち中コンシェルジェ視察報告〜

写真 東京支部商店街研究会は、11月19日(土)に品川区の中延商店街を中心に「街のコンシェルジェ(街中サロン)事業」を展開しているNPOバリアフリー協会専務理事沢田藤司之 氏の話を聞く機会を得た。尚、中延商店街は11月18日に行われた第1回東京商店街グランプリにおいて、東京都活性化部門で優秀賞を受賞している。

 

 

1.地域の高齢化は進んでいる

 中延商店街の商圏範囲の人口は05年1月1日現在で、45,426人(24,526世帯)、そのうち65歳以上の高齢者が9,765人である。07年問題で騒がれている団塊世代人口は2,354人で、今後、この地区の高齢化社会が進んでいくことは紛れもない事実である。これは、全国どの地域においても同様な現象が生じていくことである。

2.高齢世帯は日常生活で"多くの困り事"を抱えている

 NPOバリアフリー協会では高齢者の困りごとの依頼で対応した事例として、現状、次のようなものが挙げられる。

3.中延商店街と高齢社会支援との組合せ

写真  「街のコンシェルジェ(街中サロン)事業(略称:街コン)」は、中延商店街振興組合の支援の下、中小企業庁及び東京都の「空き店舗対策事業補助金」対象事業として、04年11月にオープンした。現在、中延商店街周辺地域住民の高齢世代の悩み事処理をメインとした活動が展開されている。

(右の写真はコンシェルジュ事務所) 。

 

 

街のコンシェルジュの仕組み

 コンシェルジェ(有償ボランティア)は利用客から"クーポン券"(@800円地域通貨)を受取り、毎月15日に地元商店街で利用できる"商品券"(@500円)と交換。差額分(@300円)は事務手数料に充当する。

街のコンシェルジュの仕組

4.街コン事業を通して双方が満足を

 利用会員は困っている問題を処理してもらうことで満足、コンシェルジェに登録している会員は有償ボランティアを通して社会貢献の面から自己実現に満足。
  街コン事業は、これから益々進みつつある高齢化社会を地域の交流の場の一つである商店街を通して対応していこうとする新しい試みである。

報告者: 山田 一