ハッピーロード大山のポイントカードシステム更新・・・実用に徹した低コストシステムに切り替え

 10月31日(土)商店街研究会で「ハッピーロード大山商店街」の見学を行い、同商店街の組合事務所で、ポイントカードシステム更新のいきさつや切替後の成果などについてお話をお伺いした。

1. ハッピーロード大山商店街の概要

 ハッピーロード大山商店街は東武東上線大山駅から川越街道に至る道路沿いに並ぶ商店街で、全長560mのアーケードの下に200あまりの店舗が並ぶ。業種は衣料品、食料品が多く、雑貨、文化品、その他と続く。近隣型の商店街で半径1km内からの集客が多いが、都内や県外からやってくる人もいる。通行量は1日25000人で、われわれが訪れたときもかなりの賑わいであった。

2. システム更新のいきさつ

 同商店街には平成5年に約1億円かけて構築されたオンライン方式のポイントカードシステムが稼動していた。しかし故障が頻発したうえ、サポート期限が目前に迫り、故障しても部品が調達できない恐れが出てきたため更新に踏み切った。
  サポート期限の関係で新システム導入に掛けられる時間はわずかしかなかった。そこで2004年早々から組合員へのアンケートや顧客データの解析を行い、現行システムの問題点を洗い出した。
その結果、カード事業の継続については「カードによる集客・販促の効果は高い」として、継続したいという意見が非常に多かった。しかし同時に次のような問題点が挙げられた。

  1. 機械の故障が多くわずらわしい。

  2. イニシャルコストが大きく、投資の回収に時間がかかった。

  3. 高度な解析機能や顧客データベースは、データをどのように販促に結び付けるかのロジックが提供されていないため、有効に活用されなかった。

  4. 加盟店の負担が大きく、新規加盟店がなかなか増えなかった

  5. 顧客のポイント利用(景品)が板橋区共通商品券に集中し、加盟店のコストで発行したポイントが加盟店外に流出、加盟店にとってのメリットが低下した。

 このような問題点を整理し、2月末にシステム業者に対しプロポーザル(提案要求内容の説明)が行われた。3月10日には4社のプレゼンテーションが行われ、あらかじめ作成された36項目のチェックリストによって評価が行われた。大きなポイントとなったのは「システムの頑丈さ」「簡便さ」「短期で投資回収できること」で、結局オフラインで運用する満点式のシステムが選ばれた。

3. 新システムの稼動状況

 新システムは7月3日から稼動している。旧カードから新カードへの切替も9月30日を持って無事完了した。切替後の成果としてはポイントカードの回収率が急上昇したことがあげられる。満点カードが商品券となるため、お客様にとって使いやすいというのがその理由である。しかしポイントカードの利用率はそれほど上がっていない。今後は「加盟店を増やす」、「加盟店に対してポイントの発行を徹底する」と言った地道な努力が必要になると考えられている。

報告者 中央支会: 服部恭典